終活でやることリスト10選！終活成功のポイントも解説します

終活とは、人生の最後に向けた活動のことです。例えば、葬儀や財産相続など自分が亡くなった後に向けた準備や、入院や介護の準備、老後を健やかに暮らすための計画などを行います。

終活をすることで、家族の負担やトラブルが起こるリスクを減らすことができるといったメリットがあります。

さらに、終活は自分の老後の人生と向き合う機会にもなるため、自分自身が晩年を生き生きと過ごすためにも有効な活動といえます。

生前整理と終活は似たような意味合いで使われるため混同されていることがありますが、それぞれ別のことを指します。

生前整理とは、生きているうちに自分の財産や持ち物などを整理して、不要なものや遺族が処分に困るものをあらかじめ処分しておくことです。

一方で終活は、人生の最後に向けた活動全般を指しています。要するに、終活の中に生前整理が含まれている、ということです。

終活のやることリストとして、以下10項目をご紹介します。

1. エンディングノートの作成
2. 資産の見直し
3. 持ち物の整理
4. 遺言書の作成
5. 死後に必要な手続きの確認
6. 葬儀・お墓の準備
7. 入院・介護の準備
8. いざという時の意思表示
9. 友人・知人リストの作成
10. 今後の生活の計画

終活に決まりはないので、これら10項目全てをやる必要はありません。また、必要に応じてこれら以外の活動を行ってももちろん問題ありません。

本章では、一般的にやっておいた方が良いと考えられる項目をピックアップしているので、終活の最初のステップとして参考にしていただけますと幸いです。

まずはエンディングノートを作りましょう。

エンディングノートとは、自分が亡くなった後、家族が様々な手続きをする際に必要な情報、自分の考えや家族への想いなどをまとめて書き留めておく備忘録を指します。

エンディングノートに記載する内容としては以下のようなものがあります。

• 自分の基本情報
• 遺言書の有無
• 預貯金
• 不動産
• 株式・投資信託
• その他の資産
• 加入している保険
• PC・携帯電話
• ローン
• 契約しているサブスクリプション
• 葬儀・納骨・埋葬の希望
• 親戚・知人・友人・勤務先の連絡先
• ペットについて
• 家族へのメッセージ

エンディングノートに決まった形式はないので、自由に作成できます。

終活でやるべきことを整理でき、家族への思いを残すこともできるので、まずはエンディングノートを作成するところから始めることがおすすめです。

エンディングノートは以下の方法で入手できます。

1. 市町村から無料配布されるエンディングノートを受け取る

自治体によっては、エンディングノートを無料配布している場合があります。

市販のエンディングノートと内容に大きな差はありませんが、各自治体がオリジナルで作成しているため内容や書き方、ページ数などは自治体によって多少違いがあります。

自治体の窓口で直接もらうか、ホームページからダウンロードできる場合もあります。お住まいの自治体へ確認してみましょう。

2. 書店やインターネットで購入する

書店やインターネットでもエンディングノートを購入することができます。

書店であれば相続に関連するコーナーに置いてある場合が多いです。

また、楽天市場やAmazon.comなどのインターネット通販でも購入できます。書店で購入するのとは違い、手に持って中身を確認することはできませんが、店舗に行くのが難しい場合にはインターネットでの購入もおすすめです。

終活をする中で、遺言書の作成を検討している方も多いと思いますが、エンディングノートと遺言書には以下の違いがあります。

エンディングノートと遺言書では作成する際の目的が異なるので、それぞれの違いを理解した上で作成するようにしましょう。

終活を機に、資産の見直しを行いましょう。

資産を見直すことで老後の資金をどれくらい確保できるかを確認でき、老後の計画も立てやすくなります。

以下のポイントを参考に、資産の見直しをしてみましょう。

• 不要な口座は解約し、必要最小限の口座数にまとめる
• どこに口座を持っているかを明記しておく
• 利用している銀行・証券会社・保険会社を一覧表にする
• 所有している不動産があれば名義や管理状況について改めて確認する

元気なうちに所有している資産をきちんと把握して書き記しておくことで、万が一の際にも家族がスムーズに対応できます。

体力があるうちに、持ち物の整理をしておきましょう。

不用なものを処分しておくことで、家族が遺品整理をする際の負担を減らすことができます。

例えば、以下の項目の中で、不要なものや整理が必要なものが無いかを確認してみても良いでしょう。

すでに不用だと分かっているものがあれば処分してしまいましょう。

例えば、家具や家電、趣味で購入した物などが挙げられます。特に電化製品や家具は処分に体力が必要になるので、元気なうちに片付けを済ませておくとよいでしょう。

LINE・Twitter・FacebookなどのSNSアカウントや、動画や画像などのインターネット上に所有しているデータを把握し、必要に応じて削除しておきましょう。

デジタルデータは家族でも気が付かずに放置されてしまうことが多いため、確認漏れが無いように注意しましょう。

また、家族がスムーズにデータを引き継げるように、各サービスのパスワードを金庫に保管するのも良いでしょう。

サブスクリプションサービスに加入しているものがあればリストアップしておき、必要に応じて解約手続きを済ませてしまいましょう。

例えば、定期購読しているメールマガジンやニュースサイト、入会しているスポーツジムや学習アプリなどを利用している場合には、一覧表にして家族に伝えておくとよいでしょう。

家族が気が付かないと、自分が亡くなった後も継続して料金が発生してしまうことになるので注意が必要です。

自分が亡くなった後の家族の負担を減らすためにも写真整理をしておきましょう。

最近はデジタル写真が主流ですが、昔の写真が沢山保管されていることがあります。

処分するのが難しい場合は「残してほしい写真」「遺影に使う写真」「捨てていい写真」を分かるように整理しておくだけでも良いでしょう。

大量の写真を整理してまとめるのは骨の折れる作業ですが、少しずつ整理しておくようにしましょう。

相続に関する遺言書を作成しましょう。

相続問題は、遺族がもめる大きな原因の一つでもあります。きちんと遺言書を作成しておくことで、自分の死後に家族間でトラブルが発生するリスクを軽減できます。

遺言書には「公正証書遺言」「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」の3つの種類があります。それぞれ作成方法や費用、法的な信頼性に違いがあるため、自分の状況に適した形式で作成するようにしましょう。

また、前述の通り、遺言書には法的効力があり、遺産に関する項目のみ記載できるのに対し、エンディングノートには法的な効力が無く、記載内容も自由であるという点で両者は全く別物であるということを理解しておきましょう。

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自分が亡くなった後に発生する事務手続きを洗い出し、必要に応じて死後事務委任契約を結んでおきましょう。

死後事務委任契約とは、自分が亡くなった後の事務的な手続きを誰かに委任するための契約です。

たとえば、死後発生する手続きには以下のようなものがあります。

• 役所への届出
• 健康保険証や運転免許証などの返納
• 各種サービスの解約（電話・インターネット・クレジットカードなど）

上記の他、葬儀や医療費の支払いなど、死後発生する手続きは思いのほか沢山あります。

遺族がこれらの手続きを行うことが一般的ですが、様々な事情により遺族に頼めない場合は第三者に依頼しておく必要があります。

死後事務委任契約には手間や費用がかかるため、必要であれば早めに検討を進めておく方が良いでしょう。

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自分が亡くなった際の葬儀やお墓の準備をしましょう。

葬儀会社には「生前予約」に対応している所も多くあります。生前予約をしておくことで、自分の希望に沿った葬儀ができますし、家族の手間や経済的な負担を軽減することができます。

なお、葬儀やお墓の手配まで準備するのが難しい場合には、自分の希望の葬儀や供養方法をまとめて書面に残しておくだけでも良いでしょう。

今後、入院や介護が必要になった時に備えて準備をしておきましょう。

具体的には、以下の点についてまとめておくとよいでしょう。

• 持病や既往歴
• 現在服用している薬
• かかりつけの病院一覧
• 介護や入院に関する自分の希望

いざという時に家族が対応しやすいよう、上記についてエンディングノートにまとめて明記しておくことをおすすめします。

また、いざという時に必要になる入院費用や介護費用を大まかに算出して準備しておくと更に安心でしょう。

万が一、大きな病気や認知症などにより意思表示が難しくなった時に備えて、自分の意思や希望を書面に残しておきましょう。

例えば、以下の場面における意思表示を記しておくとよいでしょう。

• 介護
  どこで、誰に介護してもらいたいか

• 病院
  どの病院、どの医師に、どのような治療を受けたいか

• 住まい
  晩年の住まいに自宅を選ぶか施設を選ぶか

• 延命治療や臓器提供
  延命治療を希望するかどうかや、臓器提供の希望の有無について

上記はあくまでも一例です。自分の状況や希望に応じて項目を取捨選択しましょう。

いざという時に連絡を取ってほしい友人・知人がいればリストアップしておきましょう。

連絡先の住所や電話番号を一覧にしておくことで、家族がスムーズに対応できます。

晩年をどのように過ごすかを計画しましょう。

例として、以下の2点について検討してみてもよいでしょう。

• 　老後の住まい
• 　今後の人生でやりたいこと

老後の住まいとして、次のような選択肢が挙げられます。

• 今住んでいる自宅にずっと住み続ける
• 高齢者住宅・施設に移る
• 子どもと同居や近居をする

将来の住まい方の希望によって、住み替えやリフォームについて必要な計画を立てます。必要な予算や補助金制度などについて併せて調べてみても良いでしょう。

晩年を生き生きと過ごすための計画を立てることも終活の一つです。

残りの人生でやっておきたいことや挑戦したいことをリストアップしてみましょう。例えば、趣味、旅行、家族との思い出づくり、地域の交流、ボランティアなど選択肢は沢山あります。

やりたいことが具体的に見えてくると、具体的な行動を起こしやすくなりますし、生きがいを見つけることにもつながるでしょう。

以下の5つのポイントを踏まえて終活を行いましょう。

• 元気なうちに始める
• 優先順位を付けて行動する
• 家族と情報を共有しておく
• 困ったら専門家に相談する
• 自分の意思に従って自由に行う

当然ですが、多くの方が終活初心者です。終活を進める上で疑問や困りごとが生じたり、不安を感じることもあるでしょう。

本章で紹介する5つのポイントを押さえることで、よりスムーズに終活を進める一助となれば幸いです。

終活は心身共に元気なうちに始めましょう。

シンプルですがとても重要なポイントです。終活を進める上で専門家に相談したり、不用品を廃棄したり、手続きをしたりなど、何かと体力や気力が必要になる作業が発生するからです。

余裕を持って前向きに終活を進めるためにも、なるべく体力があるうちから始めておくことをおすすめします。

終活は優先順位をつけて準備を進めましょう。

終活は特に決まりがあるわけでは無く、とても幅広いため、全てを一度に進めようとするのは大変です。また、終活を始めるタイミングによっては、老後についてなかなか想像しにくい部分もあるでしょう。

したがって、終活は一度に全てをやろうとするのではなく、優先順位をつけて無理のない範囲で取り組むようにしましょう。

例えば、不用品の破棄やお墓の準備、介護施設の見学や遺言書の作成など、体力が必要な項目から始めるのも良いでしょう。

終活について、家族と情報共有するようにしましょう。

特に、遺言書やエンディングノートを作成した際には、記載内容や保管場所を家族に伝えておくことで、いざという時に家族が安心して対応できます。

終活を進める中で困りごとが生じた際には、必要に応じて専門家へ相談しましょう。

特に、老後資金の計画や遺言書の作成、相続についてなど、金銭や法律が関わってくる事項については専門家へ相談する方が安心でしょう。

相談先としては、弁護士やファイナンシャルプランナー、終活サービスを提供している会社などが挙げられます。

終活に決まりはないので、自分の意思に従って自由にのびのび行いましょう。

終活は家族の負担を減らすために行うという側面ももちろんありますが、自分自身が残りの人生を生き生きと健やかに生きるためのものでもあるからです。

自分自身の気持ちとしっかり向き合って、充実した終活にしましょう。

人によって終活をする動機や目的は様々ですが、以下の目的から終活を行うケースが多いです。

• 残された人に迷惑をかけないため
• 自分で納得のいくライフエンディングにするため
• 老後の生活を豊かにするため

※参照：40～70代の男女1,000名に「終活」に関する意識調査を実施｜PR TIMES

60代後半から70代にかけて少しずつ始めるのが一般的と言えます。

ただ、終活の準備を始める年齢に決まりはないので、自分に合ったタイミングで始めるのが良いでしょう。

なお、介護施設の見学・遺言書の作成・自分の持ち物の整理などの準備に時間がかかるものや、体力が必要な項目については早めに検討を開始しておく方がスムーズです。

自分が着手しやすいことから始めるのが一番ですが、まずはエンディングノートを作成することがおすすめです。

エンディングノートを書くことで、考えが整理されてやるべきことが明確になるので、行動を開始しやすくなるからです。

また、エンディングノートを書くなかで、今後の人生について考える良いきっかけにもなるため、終活の最初のステップとして適していると言えます。

身寄りがない高齢者の終活の場合、特に準備しておきたい項目は以下の通りです。

• 葬儀・お墓の準備
• 死亡後の手続き
• 財産の管理
• 入院や介護施設への入居

葬儀の生前契約や死後事務委任契約、身元保証サービスなどを活用して、おひとりさまの老後へ備えておきましょう。

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終活の一環として、ペットに関する準備もしておきましょう。

ペットのためにやっておきたいことの例として、以下の3つが挙げられます。

• 引き取り先を考える
• ペット保険への加入やプランの見直し
• 葬儀や供養方法の希望を考える

　上記についてエンディングノートに明記しておくことで、万が一の時に家族が対応しやすくなります。

終活についての相談先の例として、以下が挙げられます。

• 相続について
  →相続に詳しい司法書士や弁護士
• 老後資金について
  →ファイナンシャルプランナー
• 介護施設について
  →介護施設の紹介サービス業者
• 終活全般
  →地域包括支援センター

また、上記以外にも、終活支援サービスを専門としている民間企業や一般社団法人などへ相談するのもおすすめです。

終活とは、人生の最後に向けた活動のことです。終活をすることで、家族の負担やトラブルが起こるリスクを減らすだけでなく、自分自身が晩年を生き生きと過ごすためにも有効な活動といえます。

本記事で紹介した、終活のやることリスト10選は以下の通りです。

1. エンディングノートの作成
2. 資産の見直し
3. 持ち物の整理
4. 遺言書の作成
5. 死後に必要な手続きの確認
6. 葬儀・お墓の準備
7. 入院・介護の準備
8. いざという時の意思表示
9. 友人・知人リストの作成
10. 今後の生活の計画

終活に制限や決まりはないので、自分に合ったペースややり方でのびのびと終活を進めましょう。

また、終活を進める中で困ったら、一人で悩まずに専門家へ相談することで安心して終活を進めることができるでしょう。