死後事務委任契約と高齢者：未来への準備ガイド

最近、シニア世代やシルバー世代で高齢者向けのオンラインコミュニティが注目されており、興味や関心のある方もいらっしゃるでしょう。

高齢になると不安や孤独を感じやすくなる一方で、オンラインコミュニティなら気の合う人との交流を楽しむことができ、QOLの向上にも役立ちます。

無料で始められるコミュニティサイトも多くあり、お手持ちのパソコンやスマートフォンを活用できるのも大きな魅力です。

しかし、オンラインコミュニティにはデメリットや注意点もあるため、本記事では知っておくべき知識をまとめて解説します。

おすすめのオンラインコミュニティもご紹介しますので、トラブルを回避し、安心して楽しめるよう、ぜひご確認ください。

オンラインコミュニティとは、パソコンやスマートフォンなどの機器により、インターネットを介して他の人とコミュニケーションを取ることをいいます。

企業や有名人がユーザーやファンと交流するタイプもあれば、勉強や情報収集のタイプ、同じ趣味や地域の人と繋がるタイプなど、コミュニティの種類はさまざまです。

シニア向けのオンラインサロンやコミュニティサイトも次々と登場しており、意欲的なアクティブシニアの方々は、複数のオンラインコミュニティを利用しています。

というのも、充実した人生を送るためには、生活の質となるQOL（Quality of Life/クオリティ・オブ・ライフ）を向上することが重要だといわれています。

QOLとは、健やかな心身を保てる環境や仕組み、生きがいなどのことをいい、オンラインコミュニティは、まさにQOL向上に最適な手段といえるでしょう。

高齢者がオンラインコミュニティを利用することで、次のような5つのメリットがあります。

• 人との関わりができる
• 生きがいにつながる
• 認知症の予防になる
• 災害時の情報源となる
• 自分を発信する場になる

オンラインコミュニティは、いつでも手軽に他の人とコミュニケーションをとることができる点が最大のメリットです。

SNSのように知り合いと対話をするだけではなく、見ず知らずの人とも出会うきっかけができ、趣味などの同じ目的や共通の話題で楽しい時間を過ごせます。

定年退職を迎えて現役を離れると、必然的に社会とのつながりが薄れてしまうほか、気力や体力の低下から人付き合いを遠ざけてしまうケースが少なくありません。

一人暮らしともなると、誰とも会話をすることなく一日を終えるような生活を送る高齢者の方もいらっしゃるでしょう。

なお、令和5年に発表された調査結果によると、60代では86.8%、70代では65.5%の方が年齢別のインターネットを利用し、SNSの利用率は8割以上でした。

出典：令和5年版データ集（総務省）

50代では95.4%にも及ぶため、今後は高齢者によるインターネット活用がますます盛んになると見込まれています。

オンラインコミュニティは、社会とつながるための画期的な手段です。利用している人としていない人によって、人との関わりに大きな差が生じるといえるでしょう。

オンラインコミュニティを上手に活用すると、毎日の生活で楽しみが膨らみ、生きがいにつながります。

会社や家族のために仕事や家事を頑張ってきた方ほど、目標や目的がなくなると無気力に陥りやすいため、シニア世代やシルバー世代は注意しなければなりません。

生きがいを感じるには、心身の健康の維持をはじめ、親しい友人や仲間とのつながりや、社会活動へ参加することが重要です。

出典：高齢者の生きがいとその規定要因（内閣府）

趣味や夢中になれることがあるとQOLを高められる効果があるため、自宅にいながら簡単にできるオンラインコミュニティはたいへん役立ちます。

共通の趣味や地域の人とつながるオンラインコミュニティをはじめ、情報収集や専門知識の習得に役立つオンラインサロンまで、コミュニティの種類はさまざまです。

語学・楽器・スポーツなどのレッスン教室もあれば、資格取得の受講もできるため、興味のあることにチャレンジすることで、新たな趣味が見つかるかもしれません。

オンラインコミュニティへ参加して、相手とコミュニケーションをとることは、認知症の予防対策として効果的です。

認知症は誰もがなる可能性があるため、2023年6月14日には「共生社会の実現を推進するための認知症基本法（認知症基本法）」が制定されました。

出典：共生社会の実現を推進するための認知症基本法（厚生労働省）

自分自身のためはもちろん、高齢者と離れて暮らす家族や、いつまでも健康でいてほしい家族にとっても、オンラインコミュニティは便利なツールといえるでしょう。

また、認知症のみならず、体調の変化や悩み事など、オンラインでつながる相手だからこそ相談しやすいといったケースもあります。

さらに、オンラインコミュニティに慣れおくと、いざというときに便利で良かったと感じる場合もあり、とくに高齢者は医療の面で効果を感じられるでしょう。

近年は新型コロナウィルス感染症をきっかけに、オンライン診察を行う病院が増えているため、高齢者はオンラインによるビデオ通話に慣れておくのがおすすめです。

オンラインコミュニティによって、日常で信頼できる仲間とつながっていると、万一の災害時の情報源としてもたいへん役立ちます。

地震や火事をはじめ、高齢者は詐欺などの犯罪にも巻き込まれやすいため、いざというときに助けを呼んだり相談したりと、防災対策や防犯対策としても便利です。

なお、X（旧Twitter）などのSNSは手軽で便利ではありますが、インターネット上には誤情報も飛び交うため、情報の真偽には注意しなければなりません。

オンラインコミュニティでは、SNSや掲示板、ブログのような機能が充実しており、自分自身の作品の発表や、意見を発信することが可能です。

発表会や展示会など、イベント開催も行われているため、絵画や手芸や工作などが得意な方は、第三者へ評価してもらえるきっかけにもなります。

さらに、人を励ましたり、感動を与えたり、地域の活性化として社会貢献になったりと、オンラインコミュニティは誰かのためになる機会も多くあります。

自分自身はもちろん、誰かの役に立ち貢献したいという気持ちのある方にとっても、オンラインコミュニティはおすすめです。

オンラインコミュニティはメリットのみならず、高齢者にとって次のような2つのデメリットもあります。

• 人間関係のトラブルが発生するリスクがある
• 精神的に疲れることもある

物事における考え方や価値観は、人それぞれ異なります。インターネットコミュニティにおいてもそれは同様で、人間関係によるトラブルのリスクがあり得ます。

インターネットコミュニティでは、文字として記録に残ることや、文章の捉え方によって受け取り側の印象が異なることから、トラブルが起こりやすいです。

また、利用者の中には、いたずらや嫉妬心による誹謗中傷など、心ないことをする人がいることも知っておきましょう。

インターネットコミュニティの利用にあたっては、一人ひとりの個性や多様性を十分に尊重し、調和を重視することが大切です。

インターネットを介していても、相手は人間です。人付き合いが苦手な方にとっては、精神的に疲れを感じることもあるでしょう。

とくに、投稿やメッセージへの返信をしなければならないと、自らノルマにしてしまうことで疲弊してしまうケースが目立ちます。

インターネットコミュニティの利用にあたっては、決して無理をせず、マイペースに長く続けてゆくことを心がけましょう。

オンラインコミュニティの利用にあたっては、次の4つの注意点を押さえておくと、トラブルを防いで安全かつ安心して楽しめます。

• お金に関するオンラインサロンに注意する
• 自分や他人の個人情報を漏洩しない
• 誹謗中傷や他人の権利を侵害しない
• 利用規約をよく読んで厳守する

オンラインサロンへでは、資産運用や投資による詐欺被害が起こりやすいため、くれぐれもご注意ください。

出典：オンラインサロンでのもうけ話に注意（国民生活センター）

また、無料で会員登録できるオンラインコミュニティは、多くの利用者がいることを理解して、インターネット上には個人情報を載せてはいけません。

誰もが快適に利用できるよう、周囲や相手の気持ちになることが重要なため、誹謗中傷や相手の権利を侵害しないように気を付けましょう。

また、オンラインコミュニティに登録する際は、必ず利用規定をよく読んで、ガイドラインに違反せず、トラブル防止に取り組みましょう。

高齢者におすすめのオンラインコミュニティサービスについて、3種類をご紹介します。興味があったら、ぜひ体験してみてください。

• 趣味人倶楽部
• おしるこ
• らくらくコミュニティ

趣味人倶楽部（しゅみーとくらぶ）は、50代以上のシルバー世代・シニア世代が集う無料のオンラインコミュニティで、登録者数は36万人にも及びます。

趣味や関心のあることなど、カテゴリーも2,000種類以上とたいへん多く、会員が主催する趣味のコミュニティは約3.5万件。気の合う仲間と出会うことが可能です。

インターネット上のみならず、実際に会って、ランチ会や街歩き、カラオケ、ハイキングなどのサークル活動やイベントなどの交流も行われています。

日記や写真登録にはコメント投稿も可能で、他人に見られることなく、個人同士のメッセージのやりとりもでき、操作性も簡単で分かりやすいのが特徴です。

公式サイト：趣味人倶楽部

おしるこは、50代以上のためのオンラインコミュニティで、会員数は7.2万人。利用にあたっては、専用アプリが用意されています。

利用料は無料から月額8,000円までの会員制となっており、専用ポイントの付加と消費によって、さまざまな商品とポイント交換ができるのが特徴です。

2022年には孤独・孤立対策官民連携プラットフォームへ入会し、厚生労働省推進の「通いの場」コンテンツをアプリ内で提供しています。

公式サイト：おしるこ

らくらくコミュニティは、会員数280万人を有する日本最大級のシニア向けオンラインコミュニティです。会員の平均年齢は、60〜80代が中心となっています。

コミュニケーションツールとしてのみならず、ニュースや占い、クイズなどのコンテンツも充実しているため、愛用しやすいアプリです。

au・NTTドコモ・SoftBankなどのシニア向け携帯端末に付帯しているため、らくらくスマートフォンをお持ちの方は、アプリを起動して今すぐ始めることが可能です。

iPhoneやAndroidなど、他の機種のスマートフォンでもPlayストアからアプリを入手可能です。有名大手企業のバックボーンがあると、安全性でも安心できるでしょう。

公式サイト：らくらくコミュニティ

高齢者向けのオンラインコミュニティについて、メリットとデメリット、注意点やおすすめサービスをご紹介しましたが、まとめると次のとおりです。

• オンラインコミュニティは生活の質となるQOLを向上するのに最適で、高齢者にとって、人との関わりができるきっかけや生きがいにつながり、認知症対策になる。
• オンラインコミュニティは情報収集や自分を発信する場として最良だが、人間関係のトラブルが発生するリスクや、精神的疲労を感じるデメリットもある。
• オンラインコミュニティの利用にあたっては、お金に関するオンラインサロンに注意し、他人の個人情報の漏洩や誹謗中傷にも気を付けて、きちんと利用規約を守る。

オンラインコミュニティは、課金対象の講座や月額定額制まで料金も幅広いため、まず無料で利用できるものから、体験してみるのがおすすめです。

高齢者向けのスマートフォンをお持ちの場合、すでにアプリがインストールされているケースもあるため、ぜひ確認してみましょう。